カテゴリー: 人事管理

医師による面接指導の法改正

医師による面接指導の法改正

<面接指導対象者の拡充>

平成31(2019)年4月1日付の働き方改革関連法の改正は、労働基準法だけでなく労働安全衛生法にも重要なものが含まれています。

 

【医師による面接指導の対象者】

一般労働者に対する医師による面接指導の対象を、現行の「1月当たり100時間超」から「1月当たり80時間超」へ見直し。〔労働安全衛生法66条の8 1項、労働安全衛生規則52条の2 1項〕

 

これは、労働基準法36条6項2号の改正により、労働時間を延長して労働させた時間と、休日に労働させた時間の合計が、1か月について100時間未満とされたことに呼応するものです。

もっとも面接指導は、労働者からの申し出により行われます。〔労働安全衛生規則52条〕

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セクハラ防止対策の実効性を向上させる政策

セクハラ防止対策の実効性を向上させる政策

<労働政策審議会>

平成30(2018)年11月19日、労働政策審議会雇用環境・均等分科会(旧雇用均等分科会)で、女性の活躍の推進のための対策及びパワーハラスメント防止対策等についての審議が行われ、配布資料も公開されています。

労働政策審議会は、労働政策について審議を行う委員会です。厚生労働省に置かれている審議会のひとつで、厚生労働大臣の諮問機関ですから、ここでの審議が労働関係法令の改正案に反映されます。労働政策審議会に関する情報を把握することにより、今後の政府の動きや企業の取り組むべき課題を先取りすることができます。

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貢献度の違いに配慮した懲戒処分

貢献度の違いに配慮した懲戒処分

<同じ遅刻でも>

AさんとBさんが、どちらも今まで遅刻したことなど無かったのに、そろって同じ月に2回、30分の遅刻をしたとします。

そして、どちらも始業時刻の1時間前に会社に電話で「寝坊しました。遅刻します。申し訳ございません」という報告をしていたし、その後2人とも同じように反省を示していたとしましょう。

 

【Aさん】

入社以来ずっと評価が高く、その人柄も周囲から信頼されている。仕事覚えが早く何でもテキパキと正確にこなすので、どうしても仕事が集まり残業が増えてしまった。会社としては、昇給や賞与の査定で報いている。

今回の遅刻では、「可哀想に。きっと仕事で疲れているんだ」と言われている。

 

【Bさん】

入社以来ずっと評価が低く、その人柄も周囲から疑われている。仕事覚えが悪く間違いが多いため、仕事のやり直しなどのために、残業が増えてしまった。会社は、Bさんの仕事を減らし、なるべく定時で帰ってもらうようにした。

今回の遅刻では、「たるんでいる。きっと深夜まで遊んでいるんだ」と言われている。

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健康保険の主な給付と申請期限

健康保険の主な給付と申請期限

<健康保険の主な給付>

健康保険の主な給付には、次のものがあります。

給付の種類 給付される場合
療養費 就職直後で保険証がない等、やむを得ず全額自己負担で受診したときや、治療上の必要からコルセット等の治療用装具を装着したときなど
高額療養費 健康保険加入者(被保険者本人)・扶養家族(被扶養者)とも単独または、世帯合算で1か月の窓口負担額が自己負担限度額を超えたとき
傷病手当金 被保険者が療養のために会社を休み、事業主から給料を受けられないとき(4日目から)
出産手当金 被保険者が出産のため会社を休み、事業主から給料を受けられないとき
出産育児一時金 被保険者(被扶養者)が出産したとき
埋葬料(費) 被保険者(被扶養者)が亡くなったとき

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安易には許可できない自転車通勤

安易には許可できない自転車通勤

<自転車通勤>

就業規則で自転車通勤を認めている会社は多いですし、自転車通勤に対して通勤手当を支給している会社もあります。さらに、就業規則に規定は無いものの、自転車通勤を黙認している会社もあります。

特に都市部では、満員電車を避け運動不足の解消にもなるので、自転車通勤は増加傾向にあるようです。

さらに大手企業では、エコロジーの観点から自転車通勤を奨励していることもあります。

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就業規則変更の落とし穴

就業規則変更の落とし穴

<就業規則変更の手順>

就業規則変更の正しい手順は、

1.法改正や社内ルールなどの変更により就業規則変更の必要が発生

2.担当部署や社労士(社会保険労務士)が変更案を作成

3.社内での決裁

4.従業員への周知

5.労働者の意見書作成

6.労働基準監督署への変更届提出

という順番になります。

5.の意見書には、労働組合や労働者の過半数を代表する者の、就業規則変更についての意見を記入します。変更後の就業規則が社内に周知され、多くの労働者の反応を把握してから意見書を書くようにしなければ、労働者を代表する立場で書くのは難しいでしょう。ですから、上記の順番が正しいわけです。

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国によるパワハラ防止対策強化の動き

国によるパワハラ防止対策強化の動き

<労働政策審議会>

平成30(2018)年11月19日、労働政策審議会雇用環境・均等分科会(旧雇用均等分科会)で、女性の活躍の推進のための対策及びパワーハラスメント防止対策等についての審議が行われ、配布資料も公開されています。

労働政策審議会は、労働政策について審議を行う委員会です。厚生労働省に置かれている審議会のひとつで、厚生労働大臣の諮問機関ですから、ここでの審議が労働関係法令の改正案に反映されます。労働政策審議会に関する情報を把握することにより、今後の政府の動きや企業の取り組むべき課題を先取りすることができます。

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働き方改革の趣旨と年次有給休暇の義務化

働き方改革の趣旨と年次有給休暇の義務化

<年次有給休暇を取得させる義務>

年次有給休暇は、労働者の所定労働日数や勤続年数などに応じた法定の日数以上を与えることになっています。

与えるというのは、年次有給休暇を取得する権利を与えるということです。

実際に労働者の方から「この日に年次有給休暇を取得します」という指定が無ければ、使用者の方から積極的に取得させる義務は無いのです。

これが現在の労働基準法の内容です。

ところが、平成31(2019)年4月1日からは、労働者からの申し出が無くても、使用者が積極的に年次有給休暇を取得させる義務を負うことになります。

 

法改正後は、年次有給休暇の付与日数が10日以上の労働者に対し、年次有給休暇のうち5日については、基準日から1年以内の期間に労働者ごとにその取得日を指定しなければなりません。

これには例外があって、労働者の方から取得日を指定した日数と、労使協定によって計画的付与がされた日数は、年5日から差し引かれます。

つまり、基準日から次の基準日の前日までの1年間で、年次有給休暇の取得について、次の3つの合計が5日以上となる必要があります。

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すべての企業でLGBTへの対応を

すべての企業でLGBTへの対応を

<LGBTの定義>

LGBTは、4つの性的少数者の頭文字をとったものです。

 

【LGBT】

L レズビアン(Lesbian) 恋愛の対象が女性である女性
G ゲイ(Gay) 恋愛の対象が男性である男性
B バイセクシュアル(Bisexual) 恋愛の対象が男性・女性の両方である人
T トランスジェンダー(Transgender) 生まれた時の体に基づいて判別された性別と、本人が心の中で認識している性別とが異なる人

トランスジェンダーの中でも、出生上の性に分類されることに持続的な不快感を持ち、精神的な苦痛や生活上の問題を抱えている状態にある人を、医学的に「性同一性障害」と呼んでいます。

 

すべての企業に、LGBTへの理解と具体的な取り組みが求められています。

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大企業病を治すための特効薬とは

大企業病を治すための特効薬とは

<大企業病>

大企業病というのは、企業全体が非効率的になることを指しています。

社員が増え組織が大きくなることで、コミュニケーションが悪くなり、組織が活力を失った状態です。

 

<症状>

大企業は、大企業であり続けたいわけですから、どうしても現状維持的になります。社員も、現状維持を第一に考え、市場経済の変動や顧客ニーズに応じてチャレンジすることは考えにくくなります。

いつか世間の変化に追い越されて、業績が縮小していくのは目に見えています。

中小企業でも、急成長を遂げたり、世間の注目を集め一世を風靡した後に、この症状が現われやすくなります。

 

大企業は、不要な業務が増えすぎています。新人を採用する力は強いのですが、新人が入るたびに「やった方がいいかもしれない」「あると便利そうな」余計な仕事が増えていきます。その仕事が、会社の業績にどう結びつくのかという、厳しいチェックが入らなくなっています。

中小企業でも、ひょっとしたら業績向上に結びつく可能性を考えて、何となく仕事が増えていく現象が見られます。

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