作者別: workcloudjp

企業が懲戒処分を行う根拠

企業が懲戒処分を行う根拠

刑罰権は国家に独占されているのに、企業が懲戒処分を行えるのは何故なのか、懲戒処分の対象者から出やすい疑問です。

 

<法律の規定>

減給処分を行う場合の限度については、労働基準法に次の規定があります。

 

【制裁規定の制限】

第九十一条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

 

つまり労働基準法は、減給処分について一定の制限を設けたうえで認めているわけです。

また、労働契約法には懲戒処分の有効性について次の規定があります。

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人事処分と人事異動の併用

人事処分と人事異動の併用

<人事処分だけの会社>

社員が不都合な行為を行った場合に、就業規則の懲戒規定に基づき人事処分だけを行っている会社もあります。

人事処分を行う目的は、主に次の3つです。

 

・対象となった社員に反省を求め、その将来の言動を是正しようとすること。

・会社に損害を加えるなど不都合な行為があった場合に、会社がこれを放置せず処分や再教育を行う態度を示すことによって、他の社員が納得して働けるようにすること。

・社員一般に対して基準を示し、みんなが安心して就業できる職場環境を維持すること

 

これらの目的が果たされれば十分と考えるわけです。

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採用面接後の辞退を防ぐためには

採用面接後の辞退を防ぐためには

<労働条件の通知>

アルバイトでも、パートでも、人を雇った使用者は労働条件を原則として書面で交付する義務があります。〔労働基準法15条〕

労働条件通知書、雇い入れ通知書、雇用契約書、労働契約書など名前はいろいろです。

名前はどうであれ、交付しないのは違法で30万円以下の罰金刑が規定されています。〔労働基準法120条〕

1人につき30万円の損失で済むわけではなく、マスコミやネットの書き込みの威力で、立ち直れなくなる可能性があります。

というのは労働条件が不明確なら、年次有給休暇の付与日数も、取得した場合の給与計算の方法も不明です。月給制なら、残業手当の計算方法もわかりません。こうしたことから、労働条件を通知しないのは、「年次有給休暇も残業手当もありません」と表明しているかのように見えるからです。

平成31(2019)年4月からは、会社には年次有給休暇を取得させる義務が課されています。これに全く対応できていない状態であれば、採用後に辞退されても仕方がないでしょう。

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真実の指摘とパワハラの成否

真実の指摘とパワハラの成否

<報道では>

大手家電量販店の社長が、子会社の社員の実名を挙げて「使い物にならない」などと責めた文書が子会社のイントラネットに掲載され、その社員は4か月後に退社したそうです。

この会社は「社員教育の一環」と説明しています。

「使い物にならない」ことが真実であれば、親会社の社長によるパワハラにはならないのでしょうか。

 

<パワハラの構造>

パワハラは、次の2つが一体となって同時に行われるものです。

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遅刻は何回まで許されるか

遅刻は何回まで許されるか

<「許される」の意味>

「遅刻は何回まで許されるか」という疑問に対しては、「許されない」とは何かを想定し、それぞれについて回答する必要があります。

 

【遅刻について「許されない」の意味】

① 給与の欠勤控除を受ける。

② 懲戒処分を受ける。

③ 損害賠償の請求を受ける。

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暴言に対抗して暴行に及んだ社員の処分

暴言に対抗して暴行に及んだ社員の処分

<社内の意見>

職場で暴言を吐かれ、感情を抑えきれずに相手に暴力を振るってしまった社員がいた場合には、他の社員たちから次のような意見が聞かれます。

・最初に暴言を吐いて仕掛けた方が悪い。暴言が無ければ、暴力も無かっただろう。

・あくまでも言葉のやり取りで済ませるべきで、最初に手を出した方が悪い。

・喧嘩両成敗ということもあり、どちらも同じように悪い。

あるいは、当事者の普段の様子を知っている社員からは、全く違った意見が出てくるかもしれません。

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法改正を踏まえたフレックスタイム制導入時に労使で協定する事項

法改正を踏まえたフレックスタイム制導入時に労使で協定する事項

<労使協定の締結>

フレックスタイム制の導入に当たっては、労使協定の締結が必要です。

従来通り、清算期間が1か月以内であれば、所轄の労働基準監督署長に届け出る必要はありません。

しかし、2019年4月1日付の法改正に応じて、清算期間を1か月を超え3か月以内とする場合には、所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。

いずれの場合も、フレックスタイム制を導入するに当たっては、以下の事項を労使協定で定める必要があります。

①対象となる労働者の範囲 ②清算期間 ③清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)④標準となる1日の労働時間 ⑤コアタイム(※任意) ⑥フレキシブルタイム(※任意)

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フレックスタイム制を恐れずに導入しましょう

フレックスタイム制を恐れずに導入しましょう

<よくある誤解>

フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。

この意味が誤解されていると思います。

従業員の一人ひとりが、「気が向いた時に出勤して、帰りたくなったら帰る」のであれば、仕事が回らなくなります。

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現物支給が許される場合

現物支給が許される場合

<現物支給>

現物支給とは、物品やサービスなど金銭以外の経済的利益で、賃金が支給されることをいいます。

具体的には、賃金の一部を会社の商品や割引券に換算して支給するような場合を指します。

通勤手当の代わりに、定期券を支給するのも現物支給です。

食事や栄養ドリンクも、賃金の代わりに支給されるのであれば、現物支給になります。

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週6日勤務のパート・アルバイト

週6日勤務のパート・アルバイト

<休日>

労働基準法には、休日について次の規定があります。

 

第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない。

○2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

 

つまり、日曜日から土曜日までの1週間で1日の休日を与えるか、4週間ごとに4日の休日を与えればよいということになります。

正社員、パート、アルバイトなどの区分にかかわらず、週6日勤務は違法ではありません。

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