労働時間短縮ハラスメント(ジタハラ)の問題

労働時間短縮ハラスメント(ジタハラ)の問題

<ジタハラとは>

仕事と生活のバランスが取れるようにし、生産性を向上させるため、働き方改革の一環として、労働時間の削減が推進されています。

ところが、会社によって労働時間が短縮されるのは、労働者にとって苦痛であり、嫌がらせであると感じている人たちがいます。

これが、労働時間短縮ハラスメント(ジタハラ)です。

 

<ジタハラの具体的な被害>

ジタハラを主張する人たちは、次のようなものを具体的な被害として挙げています。

一次被害 二次被害 三次被害
収入の減少 モチベーションの低下 退職者の増加
ストレスの増加
人間関係の悪化
チームワークの悪化
OJT・指導の不足
仕事の完成度低下
ケアレスミスの増加
持ち帰り仕事の増加 適正な評価が困難 適材適所が困難
未払い残業代の発生 残業手当が付かない人への業務集中 昇進拒否
サービスの低下 顧客離れ 業績不振
実質的人手不足 取引先へのシワ寄せ

 

正社員では残業手当が減少し、パート社員では労働時間や勤務日数が減少することによって収入が減少します。仕事を急いで全力でこなすことから、ストレスは増加し、人間関係やチームワークも悪化します。現場での指導も不十分になりますから、仕事の完成度も低下します。ケアレスミスも増えます。こうして、従業員のモチベーションが低下し、退職者が増加します。

こなし切れない仕事は、自宅に持ち帰って行うこともあります。自宅での仕事ぶりは見えませんから、評価の対象にはなりません。いきおい人事考課が機能しなくなり、適材適所が困難となる恐れもあります。

一部の企業では、未払残業が発生します。残業手当が支給されない管理職に業務が集中することもあります。毎日残業し、休日も出勤する管理職の姿は、憧れの対象にはなりませんから、昇進を目指して努力するということも減ってしまいます。

一番困るのは、労働時間の短縮がお客様に対するサービスの低下をもたらし、お客様が離れてしまい、業績が低迷することではないでしょうか。

他にも、取引先との商談が減ったり、夜間の連絡が取れなくなったりの不都合が発生します。

 

これほど多くの不都合があるのなら、労働時間の短縮をしてはいけないのでしょうか。

これらは、政府の主導する働き方改革の弊害なのでしょうか。

ジタハラの問題をどのように解決すべきかについては、次回取り上げたいと思います。

 

社会保険労務士 柳田 恵一